第16号(P.2~3)旭非正規職支会との団結で新しい世界を!
旭非正規職支会支援共闘会議事務局長・清水彰二(群馬合同労組委員長)
旭支援共闘結成以来の闘い
2018年の2月(21日~3月9日)に韓国・旭非正規職支会の3人の組合員が来日し、東京の旭硝子(AGC)本社に対する抗議申し入れ行動に立ち上がったのを契機に、5月26日には「旭非正規職支会支援共闘会議」を結成、昨年のべ8回におよぶ本社前行動を行ってきた。
東京駅丸の内北口の真向かいにある本社に向かって、「ブラック企業AGCを許さない!」「本社の責任で解雇を撤回しろ!」と、宣伝カーやビラ、シュプレヒコールで怒りをぶつけてきた。関西、東海の工場でも宣伝戦が行われた。
10月4~9日にはチャホノ支会長が来日し、11月11日には訪韓闘争の一環として10人の支援共闘会議の仲間が亀尾(クミ)市にあるAGC工場前のろう城テントを訪問して団結を深めた(次頁上の写真)。
亀尾を訪問した私たちを迎えたチャホノ支会長は、日本で会った時よりうれしいと言った。組合員は全力で結集して歓迎してくれた。率直に、家族に苦労させていて苦しい心境も語ってくれた。
いっしょに迎えてくれた民主労総慶尚北道本部教育局長のペテソンさんは、ハンサンギュン前民主労総委員長といっしょに115年11月の民衆総決起を指導した元民主労総組織争議室長。1年6カ月の獄中闘争を経て17年に奪還された。組合加入説明会で旭支会の労働者に「みなさんは運がいい。新しい世界を見られる」と、その気にさせた人だ。
彼女が私たちに聞いた。「なぜあなたたちはそこまでして連帯するのか?」と。なぜ、どこまで、連帯するのか? それはこれからも私たちに問い続けられる。旭非正規職支会支援共闘会議に結集し団結しよう。
非正規職撤廃へ実力闘争
旭支会が闘っているのは、パククネ大統領を獄中にたたき込んだろうそく革命が切り開いた地平をもう一歩前に進める闘いだ。
根底にあるのは、新自由主義のもとで進行した深刻な非正規職化の現実である。労働者と労働組合が正規職と非正規職で分断され、非正規職労働者は低賃金で過酷な労働を強いられ、簡単にクビを切られている。労働組合をつくれば解雇され、路上で、鉄塔の上で、命がけで闘わざるを得ない。
昨年11月10日、ソウルで開催された民主労総の全国労働者大会には6万人が結集した。これを全力で闘った旭支会は翌11日に亀尾で支援共闘会議を迎え、さらにその翌12日から全国の非正規職労働者とともに再びソウルの大統領府前、検察庁前、国会前でろう城・座り込み闘争に入った(左の写真)。
これを妨害する警察権力と身体を張って闘い、旭支会の仲間を含めて多くの労働者がケガをして病院に運び込まれ、検察庁では警察に拘束された(上の写真)。11月21日のゼネスト闘争では、各地で非正規職労働者が先頭に立った。
「危険な外注化を止めろ!」 ――非正規職労働者の叫び
この間、非正規職労働者の悲しい労災死が続いている。12月11日、泰安(テアン)火力発電所で、石炭を運搬するベルトコンベヤーを点検していた24歳の下請け企業労働者がベルトコンベヤーに挟まれて死亡した。亀尾出身のキムヨンギュンさんだ。9月に契約職として入社したばかりで、1年勤務すれば正規職に転換されるという条件だった。11月に撮られた、「ムンジェイン大統領、非正規職労働者と会いましょう。労働悪法をなくし、不法派遣責任者をこらしめ、正規職転換は直接雇用で」「私、キムヨンギュンは火力発電所で石炭設備を運転する非正規職労働者です」と書かれたボードを手にした写真が残っている(左下の写真)。
彼が4時間後に発見された時には、首が切断された状態だったという。外注化によって2人作業を1人にされた上、ヘッドライトも支給されなかった。2人1組で仕事をすれば防ぐことができた事故だった。
しかし、当局は事故を隠蔽しようとした。2010年からの8年間に、この発電所では計12人の下請け労働者が死亡している。
旭支会はじめ韓国の非正規職労働者の怒りは激しく燃えている。
「私がキムヨンギュンだ!」
12月18日にはソウル都心で、「非正規労働者100人代表団」がムンジェイン大統領との面会を求める記者会見を行い、「正規職ではないという理由で危険な業務に追い込まれる私たちが『キムヨンギュン』だ」と宣言。非正規職労働者の現実を暴き、闘う決意を表明した(右下の写真)。21日には光化門周辺でのキャンドル集会も開催され、非正規職の現実に直面する青年労働者が数多く駆けつけた。
韓国では1年に少なくとも約1千人が職場で死亡し、1日平均では3人に上る。日本でも現実は変わらない。仲間と自分の命を守るために闘う韓国労働者と団結して闘おう。
*2番目の写真の絵解きは、「昨年11月、ソウルで座り込み闘争中のチャホノ支会長(前列右から4人目)」。
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