第15号(P.4~5) 欧州 ストライキの波 EU全域に拡大
世界恐慌と戦争切迫情勢の中で、労働者階級人民の新自由主義政策への怒りがEU・ヨーロッパ諸国で爆発し、ストライキの波として東西に拡大している。
英仏鉄道労働者、公共部門労働者のストライキ
フランスでは、昨年1年にわたり、マクロン政権の労働法制改悪(労組との団体協約よりも職場の就業規則を優先する)攻撃に対して全労働者のスト・デモが闘われた。
これをひきついで、国鉄労働者への既得権?奪と貨物部門民営化に反対するストライキが、今年4~6月、毎週「2日スト」という限定された形での断続ストとして展開された。これに、大学進学制度の改悪に反対し、校舎・教室占拠で闘っている大学生と高校生が連帯を表明し、ピケに合流した(第10号既報)。
体制内指導部の制動を破り、マクロン政権打倒のゼネストへ向かう継続ストをかちとる闘いが進んでいる。
EU脱退をめぐって政治的激動のただなかにあるイギリスでは、「1人乗務」(車掌廃止)の攻撃に対し、RMT(鉄道港湾運輸労組)が、数年来のストライキ闘争を各地で継続し、ョを破り、マクロン政権打倒のゼネストへ向かう継続ストをかちとる闘いが進んでいる。
EU脱退をめぐって政治的激動のただなかにあるイギリスでは、「1人乗務」(車掌廃止)の攻撃に対し、RMT(鉄道港湾運輸労組)が、数年来のストライキ闘争を各地で継続し、「1人乗務」の導入を全列車の30%に食い止めている(第6号既報)。このほか、新自由主義による医療・社会福祉・教育などの公共部門労働者への賃金カット・要員削減などの攻撃に対してストライキが拡大している。
イタリア、ポーランドなどでも、緊縮政策に抗して公共サービス労働者がストに立っている。
非正規職労働者の国境をこえた統一ストの拡大
格安航空(LCC)でEU全域にわたり最大の勢力を誇っているライアンエアーで、ドイツのパイロットを先頭とし、客室乗務労働者・地上勤務労働者も含めたストライキが、イギリス・イタリア・ベルギーなど数カ国との統一行動として、今年7月に打ち抜かれた。臨時契約の派遣労働者が大多数で、低賃金・過酷な労働条件を強制され、怒りを爆発させたのだ。
一方、流通業界の世界的大手であるアマゾンは、商品の「即日配達」を看板に、ヨーロッパでは英独仏・イタリア・スペイン・オランダなどに業務を拡大してきた。
工場のような巨大な倉庫で、集荷のために走り回らされる非正規職労働者が、こうした業務を支えてきたのだ。今やアマゾンの労働者は「われわれはロボットではないぞ」「奴隷労働反対」の怒りの声をあげて、これらの諸国で昨年来国境をこえて連帯し、ストライキに決起している。
■中東欧の反動的・排外主義
的政権に反対するデモとス
トライキの高まり
1991年まで東欧スターリン主義圏内にあったポーランド・チェコ・ハンガリーなどの諸国(オーストリアを含めて、中東欧諸国と呼ばれる)は、EU資本にとって「低賃金地帯」として自動車産業などの工場移転の対象となり、サプライチェーン(部品供給網)の一環に組み込まれてきたが、2007~08年世界恐慌の爆発の過程で登場した排外主義的右翼政権の新たな攻撃のもとで、労働者人民が積年の怒りをデモやストライキで爆発させている。
ここでも、キーワードは、階級的労働運動と国際連帯である。
写真は、上から
①フランス国鉄労働者の構内集会 「われわれは反乱に立った」(7月)
②アマゾン・ドイツのストライキ集会 「ストライキ決行中」「会社は団交に応じろ!」(7月)
③ポーランドの首都ワルシャワの夜間集会 政府の反動的司法改革に反対(7月)
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