第14号(P.4~5)韓国・旭非正規職支会のチャホノ支会長が来日

●京浜工場で労働者に訴え

 10月5日、韓国・クミ(亀尾)から旭非正規職支会のチャホノ支会長を迎え、旭非正規職支会支援共闘会議は、AGC(旧・旭硝子、7月1日社名変更)本社に解雇撤回・原職復帰を迫る一日行動を闘いぬいた。

 午前7時、合同労組かながわをはじめ地元神奈川の労働者を先頭にAGC京浜工場前に登場。マイクを握ったチャホノ支会長が「私たちを解雇した犯罪者は東京本社にいます。労働弾圧の責任者に圧力を加えるために日本に来ました。共に旭硝子と闘いましょう」と呼びかけると、青年労働者が次々とあいさつし、ビラを受け取っていく。

 民主労総全国金属労組傘下の旭支会はクミでも毎朝、出勤する労働者に宣伝を続けている。その中で「休憩室がほしい」との清掃労働者の要求を会社に突きつけ、実現。チャホノ支会長は「韓国の非正規職労働者全体のために闘っている」と胸を張った。

●AGC本社を直撃

 JR東京駅丸の内北口を出て正面にそそり立つ新丸ビルにAGC本社がある。午後3時すぎ、チャホノ支会長と共闘会議はそのAGC本社を訪問し、社長・島村琢哉との直接交渉を要求した。しかし、応対した総務部の中村某は「コメントする立場にない。コメントできないものを受け取ることはできない」と拒絶に終始し、非難を浴びた。しかし、この態度こそAGC本社が旭支会の闘いに震え上がっている証拠だ。

 チャホノ支会長は「韓国で地方検察庁での調査が進み、不法行為でAGCが起訴されるのも時間の問題になっている。起訴が決まったらまた来る」と宣言し、「AGC本社への継続的な抗議行動こそ最大の圧力になる。次は組合員と共にここに来たい」と共闘会議と共に国際連帯で闘う決意を語った。社前に出て抗議の街頭宣伝。音量を上げた宣伝カーからAGC本社の罪状が丸の内一体に響きわたった。

■チャホノ支会長囲み連帯集会

 10月5日夕方、朝からの闘いに引き続き、東京都江東区で旭非正規職支会支援共闘会議による支援連帯集会が開催された。

 なんぶユニオンの大野八千代さんが司会を務め、元気に開会あいさつ。続いて「野の花は負けない」と題する旭支会の闘いのビデオが上映された。

 基調の提起は、共闘会議の清水彰二事務局長(群馬合同労組委員長)が行った。清水さんは今年5月の支援共闘結成以来の闘いを振り返り、「旭支会の闘いは、非正規職を撤廃し労働者が職場と社会の主導権を握る闘いだ」「改憲・戦争阻止の闘いと一体で解雇撤回を」と訴えた。

 大きな拍手で迎えられたチャホノ支会長は、「旭非正規職闘争は、非正規職労働者たちが労働組合として団結することができるという自信をもたらす闘いであり、未組織の非正規職労働者

に生きる希望を与える闘いだ」「支援共闘会議を結成し国際連帯で共に闘う日本の同志たちの存在が大きな力になる」と語った。

 圧巻だったのがその後の質疑応答だ。チャホノ支会長は「現在、韓国では労働者の大多数が非正規職とされている。これは単なるカネの問題ではなく、資本が労働者を分断して支配することを最大の目的としているからだ」と攻撃の本質を語り、「真の闘い、運動は、自らのためだけでなく劣悪な状況下におかれている労働者とともにするもの」という信念から、非正規職労働者が多く働く亀尾(クミ)市で「非正規職労働運動をよみがえらせたい」と旭硝子工場に入ったことを語った。

 「非正規職労働者が一から労組をつくるのはとても難しいことだが、労働者が自信をつけるために、非正規職労組は絶対に必要だ」「労働者は団結の中で自らの力を知り、闘いでその力を示す」「われわれは闘いを通じて世界を変える、われわれ自身が変わらなければ世界も変わらない」――旭支会の団結が、こうした階級的な立場に立つことで激しい攻防を乗り越えて維持されてきたと訴えた。

 共闘会議顧問の金元重(キムウォンジュン)さんは、この8月を転機として韓国で労働積弊清算の闘いが前進していることを報告。動労千葉の川崎昌浩書記長、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長、なんぶユニオンの宮里勝博委員長もそれぞれアピールに立った。なんぶユニオンからは闘争カンパの贈呈も行われた。

 最後に山本弘行共闘会議議長が、「グローバルグループの一体化」をうたい、人権・労働環境に留意していると宣伝しながら労働者を路頭に放り出したAGC資本を弾劾。「支援共闘は全員の解雇撤回・原職復帰に向け闘い、AGCに責任をとらせよう。旭闘争こそ階級的労働運動を体現する闘いだ」とアピールし、11・4労働者集会への大結集を呼びかけた。

国際連帯共同行動研究所

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