第12号(P.8前半)アメリカ 「女性のペンタゴン行進」
「女性のペンタゴン行進」代表 シンディー・シーハン
再度お招きいただきありがとうございます。
私たちが例年同様ここに集まったのは、殺害された方々と被爆者に敬意を表すためですが、それだけでなく、戦争の恐ろしさを伝え続け、現在も全世界で占領され、抑圧されている諸国、諸地域で暮らしている人と連帯するためでもあります。
ちょうどこの原爆の日、2016年にオバマ大統領が広島に来ました(1945年以来最初に広島に来た大統領です)。多くの人が、もっとまともなことを期待したのではないかと思います。しかし彼は、美辞麗句に彩られた、無内容な演説をしただけだったと私は思うのです。
私が衝撃を受けたことは、オバマが演説の中で、民間人を意図的に標的にしたこの残虐な行為の犠牲者たちがアメリカに対して驚くべき許しを示したと語ったことです。オバマは、広島の人々から許されたと感じて、広島に来て、また去っていきました。しかし彼は、一度たりとも広島の人々に許しを請いませんでした。
あの日のオバマの傲慢な美辞麗句にもかかわらず、オバマ政権は、10兆ドルを投じてアメリカの核兵器の「性能向上」をはかることを承認し、大量破壊兵器を彼の前任者から彼の後任者の不安定な手に引き継いだのです。
私はこの場に、今年の10月20~21日に行う「女性のペンタゴン・マーチ」を組織している約1千人のアメリカの女性を代表して参加しています。そして私は、みなさんに誓いたいことがあります。
それは、原発も核もない世界を実現するために、そしてアメリカ帝国主義に率いられた全世界の帝国主義からの解放、「人間より利潤」「地球上の生命存続より資源の支配」の資本主義というガンからの解放を求める、みなさん全員と連帯することです。
ジョン・ハーシー〔1946年出版の"Hiroshima"の著者〕は、次のように語っています。
「1945年以来、世界が原爆から守られてきたのは、核抑止力によってではなく、記憶によってです。広島で何が起こったのかという記憶です」
われわれにとって「広島」とは、最悪の事態のシンボルであるだけではなく、人間精神の強靭さを思い起こすものです。すべてのみなさんが数十年間にわたって示されてきた闘争と愛によって、「広島」は平和のモニュメントになってきました。
ありがとうございます。(6日行われたヒロシマ大集会での発言)
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