第10号(P.5後半)韓国 徴用工像建立をめぐり権力と激突

 4月30日、メーデーにあわせた釜山の日本総領事館前への徴用工(日帝の植民地支配下で強制徴用され働かされた人びと)像の建立に対して行政が3千人もの警察権力を投入し、暴力的に阻止するという事態がおこりました。対峙と激突は2日間続けられましたが、警察は許せないことに像を奪って設置を阻止し、31日には撤去を強行しました。

 5月1日の午後には日本総領事館近くで、民主労総などが5千人の労働者像建設大会を開催しました。

 民主労総は以前から、日帝の植民地支配のもとでも誇り高く闘ってきた朝鮮人労働者たちに光を当て、その歴史を労働者自身の手で記録しようと徴用工問題に取り組んできました。そして、日本軍軍隊慰安婦をめぐる2015年の「日韓合意」や国内外での「少女像」建立運動を契機に、釜山にも強制徴用労働者像建設のための特別委員会がつくられたのです。

 しかし韓国の外交部と釜山市は「韓日間に外交的紛争をあおり得る」という理由でこれに反対。あろうことか、機動隊を投入して労働者を暴力的に排除しました。これに対して特別委は「国を失った民が連れて行かれ、虐殺されて捨てられ、それでも今まで謝罪の一言すらまともに聞けない歴史と現実を今こそ正していく」と述べています。

国際連帯共同行動研究所

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