第7号(P.6)映画 「自白」上映会を開催

 東京都内で1月20日、韓国の映画「自白」の上映会が開催されました。監督であるチェスンホ氏も来日し、上映後には、75年の11・22在日韓国人母国留学生スパイ団事件で再審無罪をかちとった李哲さんと金元重さんとのトークセッションを行いました。

 チェスンホ氏は2012年、韓国の公営放送のひとつであるMBCでの170日間のストライキ中に不当解雇され、独立系メディア「ニュース打破」を立ち上げてプロデューサー&キャスターを務めてきた人物です。

 15年、パククネ・チェスンシルゲートが明らかになる過程で「ニュース打破」が暴露した、キムギチュン元大統領秘書室長(パククネとともに逮捕され、現在は獄中)の過去は巨大な反響を呼びました。パクチョンヒ時代から政権中枢に居座ってきた「陰の実力者」・キムギチュンこそは、70年代、韓国に留学していた在日朝鮮人たちを次々と投獄し、過酷な拷問によってスパイにでっち上げた事件の指揮者だったのです。自らの支配を維持するために人々の人生を弾圧で破壊し、底なしの腐敗にまみれてきた支配階級の姿は労働者民衆に大きな衝撃を与え、社会の根本的な変革=「積弊清算」の叫びと運動はいっそう大きくなりました。

○映画「自白」上映会を終えて なんぶユニオン・大野八千代

 脱北して韓国に定住した華僑出身のソウル市公務員が北朝鮮のスパイにでっち上げられた――。日本では話題にならない事件を取り上げたチェスンホ監督「自白」上映会に何人来るだろう?という不安がありましたが、当日券が70枚以上出て、200名の会場が満席になりました。

 韓国映画で日韓連帯を築こうと、在日韓国人・韓国人・日本人のチームで続けている上映会は、朴正熙(パクチョンヒ)政権下で起きた「在日韓国人留学生スパイ捏造事件」で拷問を受けた元良心囚の「国家権力犯罪を暴露して韓国を変えたい」という情熱で実現しています。当日、会場で募ったKBSストライキへのカンパは8万円も集まりました。生活保護を受けている高齢の女性は、「全部出しちゃうと生活が。お釣りをもらえますか?」と、カンパしてくれました。

 政権によるメディア介入と運営陣の不正を弾劾する韓国公営放送2社同時ストライキは、MBC労組が社長交代で勝利しました。新社長は5年前にストライキを先導したことでMBCを解雇されたチェスンホ監督です。KBS労組はハンストに突入しました。映画を通じて、ストライキ賛同の国際連帯が生まれたことは大きな喜びです。

 次回上映作は、李明博(イミョンバク)・朴槿恵(パククネ)両政権によるメディア介入、言論封殺を暴く映画「共犯者たち」です。どうぞご期待ください。

*6月9日午後7時~、なかのZEROホールにて