第16号(P.8) 新刊案内 『中国労働者 かく闘う!』 珠江デルタのストライキ労働者は語る
『中国労働者 かく闘う! 珠江デルタのストライキ労働者は語る』が、いよいよ出版最前線から出版されることとなりました。
この本は、中国で労働争議を闘った17人の労働者の証言を集めたものです。珠江が流れる両沿岸地域、すなわち広州から東莞、中国最初の経済特区である深?(その隣は香港)までに至る地域は「珠江デルタ」と呼ばれ、中国最大の経済地域です。したがって、ここは「改革・開放」政策の矛盾が最も集中し、労働者のストライキが頻発している地域でもあります。この本は、この地域のストライキについて労働者自らが語ったもので、中国でアンダーグラウンドに出版されました。
ここで描かれるのは、決して英雄譚(たん)ではありません。むしろ生々しいまでの労働者の生きざまです。中国の労働者、最下層の農民工の怒りや欲求、希望も絶望も含めて、闘い、したたかに生きていく姿が、労働者自身の口で生々しく語られていきます。
また、中国の労働者の代表や組織の問題についても、これらの証言を通じて、政府の懐柔政策も含めて私たちは知ることができます。そういう意味でも貴重です。
中国の労働運動について書かれた本は、日本でも皆無ではないにしても少なく、しかもこうした労働者の直接の証言を集めたものは類書がありません。したがって、私たちがまったく知らなかった中国の労働と労働者の世界を、この本で初めて知ることになります。
朝鮮半島情勢や米中経済戦争の激化の中で、中国の労働者との連帯も求められています。その実現のためにも、この本を皆さんにぜひ読んでいただきたいと思います。
2019年1月出版予定
翻訳 動労千葉国際連帯委員会
発行 出版最前線、発売 星雲社
予定価格1500円
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