第8号(P.2)日韓連帯 サムチョクからのビデオメッセージ

 2018年3月11日、福島原発事故から7周年を迎えます。福島第一原発事故を契機に、原発のない日本、核兵器をもたない日本、核のない世界のために、日本の「反原発福島行動’18」が渾身の力をこめて熱い闘いを行っていると聞きました。みなさんの奮闘に、心からの敬意と連帯の思いを表明します。

 私は、サムチョク市核発電所(原発)反対闘争委員会常任代表・パクホンピョ神父です。原発に対して宗教が反対の声を上げているのは、歴代の教皇の教えであり、核はたった一度の事故や戦争でも人類を滅ぼすことができるからです。特に日本の福島第一原発事故の経験は、核は悪でありその悪の軸を取り除かなければ人類に平和をもたらすことはできないということを教えてくれました。そして私も、反核運動に加わるようになりました。

 1982年、韓国政府の動力資源部(当時)は、住民たちに同意も求めず、サムチョクを原発の建設候補地として発表しました。

 日本の広島への原爆投下とチェルノブイリ事故、そして福島原発事故を目の当たりにして「核は死」であることに気づいたサムチョクの人びとは、36年間核政策を進めてきた政府に対して反核の闘いを続け、2017年には核に反対する大統領を当選させることによって、ついにサムチョク原発建設計画は撤回される段階に入りました。これまで韓国の反核運動に協力・支援してくださった日本のみなさんに心から深く感謝を申し上げます。

 専制政権・独裁政権は、核兵器の誘惑のために核をあきらめません。ですから、私たちは地方自治体の首長をはじめ、首相や大統領といった政治家を変えていかなければなりません。脱核の世界は、不断の広報活動と市民たちの闘い、そして政治家を変え原子力ムラをなくしていくことによってのみ訪れるものだと強く信じています。そのためには、宗教者や市民、政治家を問わず、反核に賛同するすべての人びとが力を合わせていかなければなりません。そして、核に賛同する政治家は追放しなければなりません。

 いま、日本の政府はうそをついていますが、日本という国は徐々に死の地に変わりつつあります。しかし無責任な政治家と原子力ムラはこうした真実を否定し、人の住めない汚染地帯に人びとを追いやっています。とりわけ2020年の東京オリンピックを前にして、まるで日本には何の問題もないような雰囲気を助長しています。日本と韓国の脱核活動家たちはこうした現状と真実を掘り起こし、これ以上日本が原発を建設しないように、既存の原発も閉鎖させ、政府から脱核を宣言するようにしていかなければなりません。1945年の広島への原爆投下、そして2011年の福島原発事故によって今なお苦しんでいる日本の人びとに、心からいたわりの気持ちをお伝えします。また、3月11日、反原発福島行動’18でがんばっている市民のみなさんの運動が、全国的に広がっていくことをお祈りします。そして韓国の闘いから多くのヒントが得られますように。みなさんにもう一度連帯の言葉を申し上げるとともに、みなさんのご健闘をお祈りします。

 「平和を実現する人びとは、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイによる福音書)。ありがとうございます。