第6号(P.1~2)「日韓合意」うち砕く民衆の闘い
戦争狙う安倍政権を直撃!
「日韓合意」うち砕く民衆の闘い
昨年12月、韓国・ムンジェイン政権は、日本軍軍隊慰安婦問題をめぐる2015年12月28日の「日韓合意」によっては「問題は解決できない」と表明。1月4日には、合意が「真実と正義の原則に外れる」ものであると認め、慰安婦被害者のハルモニ(おばあさん)たちに謝罪を行いました。
これはまさしく「合意の根本を否定」(1月10日付『産経新聞』)するものであり、真実を明らかにするために闘い続けてきたハルモニたち、そして二度と戦争を繰り返させないために闘う全世界の労働者民衆の力でかちとった大きな前進です。
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パククネ政権と安倍政権は15年当時、被害者たちに一言もなく密室で「日韓合意」を強行しました。これは、日本帝国主義による国家的戦争犯罪である日本軍軍隊慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的」解決をうたった異様なものでした。その目的は、軍部―国の責任をあいまいにし、この問題を「終わったこと」にして新たな戦争への道を掃き清めることにありました。そのために安倍は、軍隊慰安婦とされた人びとをモチーフとして建てられた「少女像」の撤去まで要求したのです。
この傲慢で誠実さのかけらもない「合意」は、腐敗をきわめ労働者を弾圧するパククネ政権への怒りの炎に油を注ぎ、これまでの歴史を根本から問い「積弊清算」を求める韓国労働者民衆の闘い=ろうそく革命を切り開く重要な水路となりました。
日本軍軍隊慰安婦問題は、私たち自身の生き方にかかわる問題です。それが戦場であれ職場であれ、一握りの支配者のために労働者民衆が踏みにじられる社会のあり方は、今に至るまで本質的に変わっていません。この現実をひっくり返すことこそ、命がけで立ち上がったハルモニたちの思いを受けとめる道です。韓国において、青年・学生たちが「合意」に怒りを燃やして立ち上がっているのもそのためではないでしょうか。
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その上で、闘いはここからが正念場です。安倍は1月24日の衆院本会議で、2月9日に韓国で開幕する平昌オリンピックへの参加を表明するとともに、日韓合意をめぐってムンジェインに対して「日本政府の考え方を明確に伝え、韓国側に約束を誠実に履行していくよう働きかける」と述べました。同時に「北朝鮮への圧力を最大限まで高めていく方針からぶれてはならないことを直接伝えたい」と述べているように、これ自体が新たな戦争に向けた動きそのものです。
また一方で、ムンジェインが大統領選への出馬に際して公約した「合意の撤回」ではなく「日本政府の自発的な真の謝罪」を要求してお茶を濁したことも、決して許すことができません。
少女像の設置が「侮辱行為」だとわめき、歴史を直視することすらできない日本政府や安倍の取り巻きたちに未来はありません。未来は、歴史を直視し乗り越え、支配者たちの引いた国境線を越えてつながり闘う労働者民衆にこそあります。
「日韓合意」は撤回以外にありません。全世界に広がる闘いとの結びつきを強め、日本においてこそ、大きなうねりをつくりだしていきましょう。
2018年1月12日付
挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)声明より
■「『歴史を抹消して再び戦争をしたい』と考えている日本政府の立場からすると、10億円で日本軍の戦争犯罪に対する免罪符を手にし、少女像も撤去し、『性奴隷』という表現も用いないと約束した2015年の韓日合意は、必ず守られなければならない、命綱に等しい合意だということだ」
■「日本の安倍総理が『国際的で普遍的な原則であり約束』であるとして固執する政治的野合の結果は、生命倫理、正義と真実、人権と平和などの『人類の普遍的な価値』よりも優先されるものではない」
■「(軍隊慰安婦制度の)犯罪認定、公式謝罪、法的賠償、慰霊碑と資料館の建立、責任者処罰、歴史教科書への正しい記述と教育、真相究明、再発防止の約束など、被害者と世界の市民たちが求める『法的責任手続き』をまたはじめから誠実に履行していかなければならない」
「日韓合意」をめぐる関連年表
1965年
6月 日韓条約締結
1990年
韓国で「挺身隊問題対策協議会」発足
1991年
8月14日 金学順(キムハクスン)さん、「慰安婦」被害者として名乗り出る
12月 金学順さんら、補償請求訴訟
1992年
1月 ソウルの日本大使館前で第1回水曜デモ
1993年
8月 「河野談話」発表
1995年
8月 「村山談話」 発表
1997年
4月 中学校の歴史教科書のすべてに「慰安婦」が記述される
1999年
周辺事態法成立
2003年
有事関連三法、イラク復興支援特別措置法成立
2005年
中学校の歴史教科書から「慰安婦」が削除される
2007年
7月 アメリカ下院本議会で日本政府への謝罪要求を決議
2011年
12月14日 水曜デモ1000回を記念し、ソウルの日本大使館前に「平和の碑」(いわゆる「少女像」)建立
2013年
7月 米グレンデールに慰安婦像建立
2015年
12月28日 「日韓合意」
2016年
12月28日 釜山の日本総領事館前に少女像建立
2017年
1~4月 釜山での少女像建立に抗議し、駐韓大使ら一時帰国
8月15日 韓国・釜山に強制徴用工像建立
9月22日 米サンフランシスコに慰安婦像建立
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