『月報』第2号文字版(6~8ページ)

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フランス 労働法制改悪反対で40万のデモ

 9月12日、フランス各地でマクロン政権の労働法制改悪に反対する闘いが爆発しました。フランス労働総同盟(CGT)は、4千件のストライキと180カ所でのデモを呼びかけ、約40万人が参加したと発表しました。FSU(統一労組連盟)や夏季休暇期間中も闘争を続けてきたソリデール(連帯労組)、UNEF(フランス全学連)も合流したゼネスト的決起です。

 フランス国鉄やパリの地下鉄、エールフランス、テレビ局、公務員労働者などがストライキに入り、パリの通勤列車や港湾、トラック輸送の一部がストップ。実際に社会を止める巨大な行動となりました。高校生・大学生も学園を封鎖してストライキに合流し、デモや集会は全国数十都市で行われました。(写真はパリ)

 昨年5月に就任したマクロン大統領は一貫して「労働市場改革」を最大の課題としてきました。昨年社会党オランド政権による労働法制改悪に賛成したCFDT(民主労働同盟)が民間部門で代表権を獲得する状況の中で労組間の分断をあおり、最終的には強行改悪に踏み切ろうと狙っているのです。

 マクロンが狙う労働法制改悪の一つめの柱は、労働協約・団体交渉を無力化することです。就業規則の改悪によって労働条件を企業単位で個別に決められるようにし、労使交渉を簡略化しようというのです。二つめは、解雇の手続きを簡略化し、不当解雇をめぐる金銭解決制度を導入しようというものです。改悪案の詳細は8月末に公表され、CGTは「これは政府からの宣戦布告だ」として反対を表明していました。9月下旬にも改悪を狙うマクロンに対し、再度の大闘争が呼びかけられています。

 労働法制改悪との闘いは、全世界の労働者のテーマとなっています。韓国・民主労総は今回「一国における労働法制改悪は、全世界の労働者に対する攻撃だ」と訴えて連帯行動に立ちました。

中国 過労死遺族の訴え

 中国の鉄道労働者の宋軍さんが、過労が原因で仕事中に心臓発作を起こして亡くなりました。宋軍さんのご家族が鉄道労働者はじめ全労働者に発したメッセージを紹介します。

 中国では、鉄道の拡大と債務増大が労働者の非正規職化や外注化の増大につながり、2013年3月の中国鉄道の分割・民営化がこれを一挙に進めました。

 この構造は日本と同じであり、新自由主義のもとでの現実そのものです。

 安康機関区の各職工、多くの乗務員の仲間の皆さん!

 こんにちは! 健康で楽しいということは、私たちすべての者の夢です。 私たちが家族との団らんを楽しむ時にあって、あるいは私たちが仕事にはげんで人生の理想に思いをはせている時にあって! だが、知って欲しいのですが、私の身の回りにいた、宋軍という一人の職場の仲間が、8月15日、列車に常務している時、過労死で仕事中に亡くなりました。

 職場の仲間の皆さん、当日宋軍は当直の運転士として働いており、彼は決して警戒を緩めず、非常に疲れていたので列車の中で即効の救心丸を飲んで、当直常務を持ちこたえようとしました。とうとう仕事中に倒れました。年寄りの多くの病気を持った父母と孤独で助ける人のない妻がのこされました。今日になって、職場は「正常な死」に過ぎないとの扱いで対応し、合理的な解決方案を出しませんでした。

 本日、宋軍は依然として、哀れにも葬儀場に横たわっています。私たち家族は、万難を受けています。道理はどこにあるのでしょうか。不当です! 不当です!! 不当です!!!

 多くの職場の仲間の皆さん、宋軍の今日は、職場の仲間の誰かの明日かもしれません。よって、職場の仲間の皆さんに、頻繁な常務作業に対して絶対に体を守ってほしいと訴えます。また、皆さんに積極的な訴えと援助をいただけるようにお願いし、早く安かに宋軍が土に入れるようにしてください。

 不当です! 不当です! 不当です!

宋軍全家族の血の涙の訴え

2017年8月22日


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「国際連帯の島」沖縄から 全島ゼネストで基地撤去、戦争阻止する!

国際連帯・共同行動沖縄 代表よびかけ人 水島満久

 安倍政権は、北朝鮮のミサイル発射を口実に戦争体制の強化・強行を進めている。「国民の生命・財産を守る」等々でJアラート訓練を全国規模で強制している。Jアラート訓練は、自治体労働者、教育労働者、地域の自治会、学校等々の戦争態勢への動員の具体的実施です。これまで行なわれた戦争の際も、「国民を守る」ために国の方針に従えと侵略戦争に向かったのです。

 戦争態勢づくりの具体例が沖縄にあります。私が小学1、2年生のころの経験です。1950~53年の朝鮮戦争に向かう米軍施政下の沖縄は夜間(午後8~9時)ごろになると「防空演習」なる全島での「消灯訓練」が実施されていました。

 具体的には、指定時間になると各家庭や建物で照明器=電灯を消すのです。多くの家庭は夕食中の時間です。ロウソクや石油ランプの明かりで、家族が肩を寄せ合って食事をしていました。米軍の飛行機が上空を旋回して「あかり」を確認したら当時の「親子ラジオ」=有線からあかりの場所が放送されます。警察・地域自治会などが「あかりの家」に駆けつけて「消灯」を強制するのです。ロウソクや石油ランプのあかりも警察・自治会など「みわまり」に気づかれると消灯を迫られるのです。母親は声をひそめて唇に指をあてて「シー」をして4人の子供たちを抱きしめていました。これが、沖縄戦が終了して6、7年目、朝鮮戦争下の沖縄であり、米軍支配下の沖縄の現実でした。

 朝鮮侵略戦争情勢下で、米軍の事件・事故、県民への被害が多発しています。普天間基地配属の欠陥機オスプレイ不時着・緊急着・異状表示・墜落が多発しています。同時に世界中の米軍でオスプレイ「事故」が頻発しています。

 特に普天間基地所属のオスプレイは沖縄での名護市安部の海岸への墜落大破、普天間飛行場での胴体着陸、伊江島補助飛行場への緊急着陸、九州大分空港への炎と黒煙の噴き出す中での緊急着陸等々を起こしています。

 米軍・安倍政権は「これらの事故はオスプレイの機能にはなんら欠陥はない、問題はない」「操縦ミス」とひらきなおっています。機能に欠陥がないのになぜ操縦ミス・事故・墜落は多発しているのか? 米軍・安倍政権の隠蔽構造が明らかです。この欠陥機オスプレイが、演習や「災害時に活用できる」との触れ込みで沖縄をはじめ全国の空を飛び回っているのです。さらに自衛隊は「次期戦略」にオスプレイの所有を明言しているのです。

 沖縄労働者民衆の怒りは激しさを増しています。米軍・安倍政権は辺野古新基地建設を強行していますが、辺野古基地ゲート前での闘い、労働者民衆の闘いが激しく闘われています。「戦争は絶対に許さない」「生きるための闘いを続ける」。欠陥機オスプレイが墜落する前に撤去をする。全島ゼネストを準備し国際連帯を実現して安倍政権を打倒し基地撤去を!

「反戦の砦」三里塚から 労農連帯に国境はない

全学連三里塚現地闘争本部

 三里塚芝山連合空港反対同盟と韓国・民主労総との現地交流は2006年以来毎年続けられ、今年で12回目を迎える。両者の闘いは、具体的な交流を通してお互いを鼓舞激励しながら進んできた。06年に民主労総に正式加盟して現地を訪れた全国公務員労組の仲間は「法の枠内に入ろうという意見もあるが、三里塚の闘いをみて原則的に闘うことが生存権を守ると確信した」と述べた。さらに09年に訪れた仲間は、故萩原進事務局次長の「話し合いを始めれば、どのような名目をつけても屈服の始まりだ」の言葉が記憶に残ったと語り、組合員の力に依拠した闘いを続け、ついに今年パククネを打倒する闘いの重要な一翼を担った。また、06年、08年に訪れた金属労組・ハイテックRCDコリアの仲間は、「つらくなったら三里塚で触れた闘いを思い出している」と語り、今年も再び高空ハンスト闘争に決起している。

 09年には故萩原進事務局次長が訪韓。再開発計画による追い出し攻撃と闘う中で5人が命を奪われたソウル・ヨンサンを訪れ「権力と人民は絶対にあいいれない。日本も韓国も同じ」「労働者の同盟軍として農民の決起をつくりたい」と決意を述べた。

 16年には萩原富夫さんが訪韓し、さらに今年三里塚で行われた「天神峰樫の木まつり」に参加した済州島の第2空港反対委員会とのつながりも継続・発展している。


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Photo

News

9月10日 徳島

 1971年11月14日、基地と核を残したままの沖縄「返還」に反対し、渋谷で暴動闘争が闘われました。この闘争での警官に対する「殺人罪」デッチあげ・無期懲役攻撃と42年にわたって闘いぬく星野文昭さんの解放をかちとるために、全国の仲間が集まり徳島刑務所包囲闘争が開催されました(左写真上)。刑務所の正門には星野さんと、ともに渋谷暴動闘争を闘った獄中の大坂正明さん、同じく獄中で闘う韓国・民主労総のハンサンギュン委員長の写真が掲げられました(左写真下)。

9月23日 福島・いわき

 JR東日本は、2011年の福島第一原発事故によって不通となっていた常磐線の竜田―富岡間を10月21日に運転再開すると発表しました。背景にあるのは、2020年の3月末までに常磐線を全線開通させるという安倍政権の決定です。住民と労働者に被曝と帰還を強制する暴挙に対して動労水戸の呼びかけで集会とデモが行われ、全国から320人が集まりました。

★年会費の振込についてのお願い

 年会費は、一口2000円です。一年ごとに更新をお願いします。

 賛同される方は、手数をおかけしますが、《名前、職業・肩書き・所属団体など、住所、電話・メール、年会費の口数・金額》を記入したものをファクス(03-5817-4857)または郵便で当研究所まで送った上で、以下の口座に振り込んで下さい。 →ゆうちょ銀行、店番018、普通7262188、「国際連帯共同行動研究所」

★ホームページ開設のお知らせ

https://international-center.amebaownd.com ※携帯・スマートフォンからは1ページのQRコードから!

Information

▼改憲阻止! トランプ・安部戦争会談粉砕!

11・4労働者国際連帯集会

 11月4日(土)午後1時開会

 千葉商工会議所第1ホール

 主催:11・5全国労働者総決起集会実行委員会

  ※韓国、アメリカ、ドイツ、フィリピン、その他の国々から闘う労働組合の代表が参加。

▼11.5全国労働者集会×改憲阻止1万人大行進

 11月5日(日)正午、午後3時から銀座デモ

 東京・日比谷野外音楽堂

 主催:全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支   部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動

▼11月11日(土)民主労総全国労働者大会前夜祭

 韓国・ソウル市内

▼11月12日(日)全国労働者大会

 午後~ 韓国・ソウル市内

国際連帯共同行動研究所

新たな労働者の「インターナショナル」の建設を目指す研究所です。