『月報』第2号文字版(1~5ページ)
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11月国際連帯共同行動へ 11/5東京→11/12ソウル
労働者の国際連帯が戦争を止める!
朝鮮半島での新たな戦争を企むトランプと安倍を、
全世界の労働者の怒りの決起で打ち倒そう!
国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉) 委員長 田中康宏
動労千葉国際連帯委員会 事務局長 山本弘行
全世界の闘う労働者の皆さん! 新たな戦争、核戦争の危機が迫っています。中東に続いて、朝鮮半島で、東アジア全体をとてつもない破壊と殺戮の場に変える戦争が引き起こされようとしています。
アメリカのトランプ政権と日本の安倍政権こそ、この戦争の引き金を引こうとしている張本人です。朝鮮半島が南北に分断されて以降、米日の帝国主義は一貫して、北朝鮮への敵視と軍事重圧を強めてきました。日米軍事同盟による北朝鮮への「斬首作戦」「核先制攻撃」をもふりかざした威嚇こそが、金正恩政権を極限的に追いつめ、核武装の道に走らせている元凶です。
これに対して韓国・民主労総は、「核による対決は、南北のすべての民衆にとっての災厄であるだけでなく、世界中のあらゆる国に広がりうる人類的な大災厄であり、絶対に許すことはできない」と弾劾し、「朝鮮半島に垂れ込める戦争の暗雲と分断のくびきをすっかり取り払う」ために、直ちに全力で立ち上がることを訴えています。
安倍政権は、大恐慌と経済の破滅に怯え、大軍拡と軍需経済化、改憲と再度のアジア侵略戦争の道に唯一の活路を求めています。そのために日本軍軍隊慰安婦問題をはじめ、かつての戦争犯罪をも公然と否定し居直っているのです。
たとえいかなる理由を掲げようと、日本政府が再び朝鮮半島・東アジアへの戦争に踏み出すことを絶対に許してはならない。それは日本の労働者階級の特別の任務です。
私たちは、民主労総の訴えと心を一つにし、安倍政権と日本帝国主義を、日本の労働者階級自身の手で打ち倒すことを、世界の労働者人民の前に固く決意します。
新自由主義の「命より金」のもとで推し進められてきた大失業と貧困、非正規職化、過労死、教育や医療をはじめ社会全体の崩壊がもはや限界を超える中で、全世界で社会の根底的変革を求める労働者の大反乱が始まっています。パククネを打倒した韓国での闘いはその最先端です。
今秋11月、トランプと安倍が日本で開催する日米首脳会談は、朝鮮侵略戦争へのゴーサインを出す場になろうとしています。私たちは11月5日、東京で、世界各国から集まった仲間とともにこの戦争会談を直撃し、粉砕する労働者大集会とデモに立ち上がります。
日韓米3国の闘う労働者を先頭に、全世界の労働者の国際連帯と団結の力で、今こそ「始まる前に戦争を止める」闘いに立ちましょう! (2017年9月29日)
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労働組合は差別・分断を許さない
米ILWU(国際港湾倉庫労組)のトランプとファシストとの闘い
「サンフランシスコ湾岸地域は労働組合の拠点だ。労組を憎む白人至上主義者が、リンチ、テロをここに持ち込むことは許さない」
「その日は労働せず、クリッシーフィールドまでデモをし、わが街でのファシストの脅迫を阻止する」
「労働組合を守り、人種的少数者、移民……あらゆる被抑圧者を守るためにすべての労働組合、反人種差別主義・反ファシスト組織に共闘を呼びかける」
サンフランシスコのILWUローカル10(国際港湾倉庫労働組合第10支部)は8月17日の組合員大会で、ジャック・ヘイマンさんらが起草した決議案を満場一致で採択した。
ヘイマンさんは、03年の11月労働者集会へのILWU組合員の参加以来、動労千葉と協力してきた仲間だ。
ナチと一体のトランプ
8月12日のバージニア州シャーロッツビルで白人至上主義の象徴である南軍の像の撤去に反対するファシストが集会を開いた。そして、それを弾劾する労働者人民が密集している所に、猛スピードの車を突っ込ませ、1人殺害、19人に重傷を負わせた。このテロ直後、トランプは南軍像撤去に反対した側にも「すばらしい人がいた」として、露骨にファシストを美化した。
トランプは、公然とナチやKKK(クークラックスクラン=南北戦争での南軍の敗北後、解放された黒人奴隷を襲撃・リンチする組織として誕生)を大統領選の陣営の中軸に入れて登場した。そしてアメリカの全マスコミが、トランプの差別主義・排外主義の扇動をはやしたて、その選挙運動を実質的に支援してきたのだ。労働者の団結の破壊のためだ。このトランプの大統領就任とその後の言動が、ファシストをますます図に乗らせたのだ。
シャーロッツビル虐殺から間もなく、「愛国の祈り」というファシスト集団がアメリカ西海岸で集会を開くと発表した。8月26日にサンフランシスコ市、翌27日には、近くのバークレー市に結集するという。
サンフランシスコ一帯は、1934年のゼネスト以来、港湾労働者を軸にして、地域ぐるみの労働運動によって築かれてきた「労働組合の街」だ。労働者の団結と誇りがすみずみまで浸透している、全米的労組拠点だ。また、ILWUは「差別はボス(資本家)の道具」をモットーにしてきた組合であり、人種などの違いを超えて団結をかため、地域の全労組に範を示してきた。ファシストは、よりによってここにまで侵入しようというのだ。
すでに5月には、ローカル10の主要職場、オークランド港のSSA社の埠頭に「首吊り縄」が置かれる事件があった。白人至上主義者たちが、黒人のリンチ殺人のために使ってきた首吊り縄は、ILWU組合員への殺人脅迫だ。
同じ米西海岸のILWUの拠点であるポートランドでは今年5月、「愛国の祈り」の集会の後、2人の男性がファシストに殺された。
まさに「いま闘わずいつ闘う」ということだ。
このローカル10の決議と闘いの呼びかけに、サンフランシスコとオークランドの教職員組合を始め、多くの労組が応えた。
ファシスト、集会中止
ファシストのテロによる脅迫に、地域全体がまったくひるまなかった。これを見て「愛国の祈り」は集会を取りやめると発表した。激突を前にして震え上がったのだ。
ファシストの生命線は「白人労働者の生活を守る」という嘘の扇動とテロだ。実際に労働者の権利を守っている労働組合が人種の違いを超えて団結し、実力で闘えば、ファシストは打ち砕かれる。
在特会を育成する安倍とトランプは同じだ。われわれは必ず勝利する。今年もILWUの重要な組合員が11・5労働者集会に参加する。ともに闘いトランプ・安倍を監獄に送ろう。
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「労働組合の街」サンフランシスコで慰安婦像の除幕
「慰安婦抹殺」のデマ宣伝
9月22日、サンフランシスコの公園、セントメアリーズスクエアで平和記念碑(慰安婦像)の除幕式が行われた。市議会での公聴会と議決に基づいて世界的に有名な大都市の公有地に像が設立されたことは画期的だ。
すでに2013年7月、ロサンゼルスの隣町、グレンデール市が中央公園に少女像(慰安婦像)を設置している。これの妨害のために安倍政権は、マスコミに意見広告を出し、在特会と領事館に市議らへの猛烈なロビー活動をさせた。「慰安婦への強制はなかった」「像が設置されれば、日系アメリカ人、在米日本人が地域で差別を受ける」といった嘘を大宣伝した。そして「民間人」(これは名目で実際の原告は日本政府)がグレンデール市を相手に訴訟を起こした。
そしてサンフランシスコでは、姉妹都市である大阪の元市長・橋下らも使って、さらに大規模に虚偽の宣伝と金を使った圧力が加えられた。サンフランシスコなどでの歴史修正主義宣伝にかけた政府の予算は500億円にのぼる。
戦争犯罪を繰り返すな!の力
だが、この策動は、市の公聴会でのCWJC(慰安婦正義連盟)との公開論争を通じて、逆に平和像設立運動を大衆的に知らせ、拡大していくものに転化した。慰安婦被害者・イソンスさんの渾身の訴えは市民の心をとらえた。
慰安婦像の設置運動は、民族主義ではない。最初から民族を超えた団結で進められてきたのだ。第二次大戦中にルーズベルト政権によって強制収容所に送られた日系人への謝罪・補償要求運動を70~80年代に展開した活動家たちが、グレンデールでもサンフランシスコでも慰安婦像の設立に活躍している。
サンフランシスコ地域を中心につくられたCWJCは、「反戦退役兵の会」の活動家など、アメリカ帝国主義の戦争と国内の搾取・抑圧と闘ってきた人が中心になっている。そして、市教組とサンフランシスコ労組評議会が支持している。
反戦闘争で全米の先頭に立ってきた「労働組合の街」が、巨大な圧力をはねかえして平和記念碑を設立したのだ。
反核運動の拠点、ドイツ・ゴアレーベンより
北原鉱治・三里塚反対同盟事務局長を悼む
ドイツのゴアレーベン核廃棄物処分場建設反対同盟前委員長のケアスティン・ルーデックさん(左写真)から、北原鉱治・三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長の逝去(今年8月9日)に際して寄せられた弔辞を紹介します。ドイツ北部の小さな村ゴアレーベンでは、1977年に連邦政府が使用済み核燃料の再処理工場や最終処分施設などを建設することを決定して以降、農民・市民による実力の反対運動が闘われてきました。ドイツのみならずヨーロッパ・世界の反核運動の一大拠点であるゴアレーベンで反対同盟の委員長を務めたケアスティンさんは2011年の福島原発事故後から日本の反核運動・労働運動とつながり、2014年に三里塚を訪問。昨年には動労水戸もゴアレーベンを訪問し、交流を深めました。
ドイツからお悔やみの言葉
北原鉱治さん逝去の報を聞き、心からお悔やみの言葉を申し上げます。
私は、2014年3月に反対同盟を訪問したこと、そしてその際に北原さんにお会いしたことをよく覚えております。北原さんは、私に非常に強い印象を残しました。
私は、そのときの会話を今でもよく覚えています。
北原さんは私に、「もう何十年も反対運動にかかわっている」と言いました。それを聞いて私は彼に、「では、私はゴアレーベンの闘いにかかわって30年ですから、北原さんはそれよりもずっとずっと長い間反対運動をやっていらっしゃるんですね」と言いました。
そうしたら北原さんは私の年齢を聞いて、笑って言いました。「(40代の)あなたのこれまでの人生の長さから比べれば、私よりもずっと長い間闘争にかかわっているじゃありませんか」と。
話は大いにはずみました。そういうわけで、北原さんとその誠実な人柄は、私の記憶に深くとどまることになったのでした。
北原さんのご家族・友人・知人のみなさんに、私のこの気持ちをぜひお伝えください。
2017年8月26日
ケアスティン・ルーデック
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朝鮮戦争阻止の最前線
韓国・ソンジュのサード反対闘争
サード配備に実力闘争爆発
韓国・ムンジェイン(文在寅)政権は7日、慶尚北部・ソンジュ(星州)への在韓米軍のサード(THAAD=高高度迎撃ミサイルシステム)発射台4基の追加配備を強行した。今年4月に強行配備された2基とあわせて1個砲台を完成させ、近く本格運用を始めることを狙っているのだ。絶対に許せない暴挙だ。
国防部はこれを「北朝鮮の核・ミサイルの脅威から国民の生命と安全を保護するための措置の一環」だと説明した。これまで「国民の同意なきサード配備は強行しない」と語ってきたムンジェインは結局、「国家安保」を掲げて労働者民衆を裏切ったのだ。
昨年7月の一方的な配備決定から1年以上も闘いぬいてきた現地の住民や宗教者たちは、追加配備決定の報を受けてただちに駆けつけた。500人もの人びとが結集して車でバリケードを築き、スクラムを組んでお互いの体をロープでつなぎ、18時間にわたって闘いぬいた。警察は許しがたいことに8千人もの部隊で襲いかかり、現場が戦場と化す中で数十人が負傷し、2人が連行された。
住民たちはこれに対して、「国民の念願として誕生したムンジェイン政権が国民を裏切った。サード強行配備はもはやパククネ政権ではなくムンジェイン政権の積弊だ」「今ソンジュは、ムンジェイン政権への未練を捨てた。ムンジェインに投票した人びとは今、指を切り落としてしまいたい心境だ」と激しい怒りをたたきつけた。
さらに、「サード発射台の追加搬入は阻止できなかったが、18時間にわたってここを守り気勢を上げて闘ったことはわれわれの明確な勝利だ」と胸を張って確認し、「サードは戦争のための武器だ。平和のために5年でも10年でも闘う覚悟だ」と決意を述べた。
昨年以来ソンジュ現地に駆けつけてともに闘いぬいてきた労働組合のナショナルセンターである民主労総(全国民主労働組合総連盟)も声明で、「サード配備強行によって不安定な朝鮮半島情勢はさらに悪化する」「民主労総はソンジュの住民と朝鮮半島の平和を望むすべての市民とともに、不法なサード配備の無効化および撤去のために引き続き闘っていく」と宣言した。
サード配備の狙いは、北朝鮮の核やミサイルへの恐怖をあおることで、パククネ前大統領を打倒した昨年来の「キャンドル革命」を引き継いで社会の全面的な変革に向けて進む韓国労働者民衆の闘いを圧殺することにある。しかし、現地ソンジュの住民を先頭とした闘いは「朝鮮半島のどこにもサードはいらない」と掲げてこの攻撃に立ちはだかり、民主労総も「核兵器も軍事境界線もない朝鮮半島を」「すべての軍事的行為と制裁措置を中止しろ」と訴えてともに闘っている。この闘いこそ、今日まで朝鮮侵略戦争を阻止している最大の力だ。
現地で汎国民行動闘われる
9月16日、ソンジュで第5回汎国民行動が開催された。(写真)ソウルからの平和バスも仕立てられて全国から600人あまりが集まり、青年の参加も目立った。参加者はムンジェイン政権によるサードの強行配備を強く糾弾し、「今すぐ工事およびサードの稼働を中断しろ」「朝鮮半島のどこであろうと、われわれの力でサードを食い止める」と訴えた。キムオクトン民主労総副委員長は、「サードが9月7日に配備されたことによって朝鮮半島の緊張が高まり、戦争の危険がさらに増幅されている」「アメリカの軍事基地化を防ぎ、朝鮮半島の平和協定締結と反戦平和を実現するために、民主労総は総力でこの闘いをともにする」と決意を述べた。
命をなげうった抗議
19日には50代の男性が「サード配備に反対する」という遺書を残して焼身し、命を絶った。病院前での記者会見で民主労総のチェジョンジン委員長代行は「この死を無駄にすることはできない。違法なサード配備によって人が殺された」と述べた。始まる前から人の命を奪うのが戦争だ。これ以上犠牲を出すことはできない。命をかけた抗議を受け止め、一刻も早く安倍・トランプを倒そう。
広島連帯ユニオンと城西工団労組の国際連帯 宮原亮(広島連帯ユニオン)
広島連帯ユニオンは2013年から、韓国・大邱(テグ)にあるソンソ(城西)工団労組との国際連帯事業を進めてきました。きっかけは国鉄闘争全国運動の呼びかけ人の李東碩(イドンソク)先生の韓国の現場の運動と結びつけたいという熱意でした。粘り強い取り組みを通して、決定的な前進を切り開いています。
ソンソ工団労組は、大邱にある6万人の工業団地を対象とした地域労組です。工団には労働組合のない中小の工場が密集し、移住労働者も多く、労組は低賃金・無権利と闘ってきました。100人に満たない「小さな」組合ですが、徹底的に現場の最下層の労働者を組織化するその運動姿勢から民主労総全体に小さくない影響力を持っている存在です。
2014年の8・6ヒロシマ大行動にソンソ労組の3名の同志が参加して以来、毎年代表が参加し、またユニオンも何度も大邱を訪問し、共に闘い、討論を重ねてきました。昨年10月には私がソンジュのサード配備反対の集会に参加し、発言の機会をいただきました。
こうした交流と討論をへて、今年の8・6広島闘争にはソンソ労組の代表と共に星州サード配備阻止闘争からキムヒョンゲ同志(左写真)が参加され、広島闘争とサード阻止闘争が結びつく決定的な前進を切り開きました。右翼・権力と対峙し実力で開催した原爆ドーム前の集会とデモに感動され、強固な連帯の思いを共有しました。討論の中では「お互いをさらけ出して深いところで連帯を進めよう」と提案がされ、強固な国際連帯を進めていくことを確認しました。
数年の取り組みを通して、ロウソク革命以後、韓国の同志たちが以前に増して国際連帯を強く求めていることを感じます。私たちも多くのことを韓国の同志たちとその闘いから学びました。一見途方もなく巨大な韓国の闘いも実は、今我々がやっているような小さな現場の闘いを原則的に闘い抜く中から生み出されていること、そして現場で苦闘する課題、労働運動の路線をめぐる課題は日本も韓国も全く同じであるということです。
広島連帯ユニオンは、戦争を阻止し、世界を変革する労働者国際連帯の前進のため、これからもこの闘いを進めていきます。
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