第19号(P.8)広島教職員100人声明を世界に発信

 2月10日、現職83人、元職26人の計109人が、「改憲・戦争阻止! 教え子を再び戦場に送らない! 広島教職員100人声明」(右に抜粋を掲載)を発しました。

 動労千葉国際連帯委員会は声明の英訳を全世界に発信し、反響が広がっています。アメリカのロジャー・スコットさんから届いた支持アピールの抜粋をご紹介します。(動労千葉国際連帯委員会・内田しをり)

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 「『教え子を再び戦場に送るな!』と、公教育の民営化・外注化に反対し、戦争放棄をうたった憲法の改悪を許さず闘う皆さん、平和と社会的・経済的正義そして環境保護と国際連帯を志す全世界の数百万の人々と共に、私は心からみなさんの闘いを支持します。

 民主主義や正義は、普遍的な公教育によってこそ裏打ちされ支えられます。公教育の民営化は、教育がもつ『人の心を満たし解放する力』を掘り崩します。

 皆さんの重要かつ正義の闘いを心から支持します」

☆ロジャー・スコットさん/RNRC(南京大虐殺賠償連盟)創設者・執行委員、CWJC(「軍隊慰安婦」正義連盟)メンバー、AFT2121(アメリカ教員連盟・サンフランシスコ私立大学教員支部)、SFLC(サンフランシスコ労組評議会)委員


【広島教職員100人声明(抜粋)】

◎私たち広島の教職員は、戦争と核の惨禍をくり返さないために、憲法9条への「自衛隊」明記と「緊急事態条項」新設に反対します。

◎私たちは、今こそ教職員として宣言します。教え子を再び戦場に送らない! 子どもたちに「国を守るために命を捨てよ」と教える戦争教育の復活を許さない。教育を国の戦争の道具にすることは絶対に許さない。

◎被爆地ヒロシマから全国の教職員の仲間に、改憲と戦争を許さない行動を呼びかけます。

(中略)

 いったい、これまでの戦争で、「自衛のため」と言わなかった戦争があったでしょうか。「自衛」の名のもとに行われた侵略戦争に組み込まれ、原爆による被爆という人類史上かつてない惨劇を体験したヒロシマ。もう二度と戦争をさせないという思いが、私たちヒロシマの教職員の原点でした。

 このヒロシマの教職員の闘いと団結を破壊するために、文部省是正指導による「日の丸・君が代」強制と大量処分がありました。そして教職員の非正規職化や学校業務の民営化や外注化は、職場の分断、組合つぶし、団結破壊をもたらしてきました。

 しかし、私たちの戦争絶対反対の思い、「教え子を再び戦場に送るな!」の固い意志は決して押しつぶされてはいません。私たちは、二度と戦争を許しません。二度と子どもたちを戦場には送りません。国策に従い、「国・天皇のために命を捧げることが何にもまして尊い」「国を守れ」と子どもたちに教え込み、戦場に送り出してしまった痛苦の歴史を絶対に繰り返しません。

 9条に自衛隊が書き込まれたら、学校では、「自衛のための戦力保持、武力行使、戦争は正しい」 と教えなければならなくなります。改憲と戦争教育は一体です。戦争で殺し、殺されたのは誰だったでしょう。一握りの権力者・資本家のために、犠牲になるのはお互いの国の労働者です。私たち労働者は殺し合いたいわけではない、戦争なんていらないのです。

 「戦争だけは許さない」「教え子を再び戦場に送らない」。このことは、教職員である以上、絶対に譲れません。改憲と戦争は、子どもたちを教え育むことと相いれないのです。


国際連帯共同行動研究所

新たな労働者の「インターナショナル」の建設を目指す研究所です。