第19号(P.1)星野さん解放へ 国連に通報

3月14日、無実で獄中44年の星野文昭さんの解放に向け、妻の星野暁子さんがスイス・ジュネーブの国連人権理事会に通報を行った。

 日本の法務省矯正局と徳島刑務所による重大な人権侵害を告発し、「日本政府・法務省による44年間という長期拘禁=残酷な刑罰から星野文昭さんは解放されるべきだ」「無期刑受刑者、全受刑者への拷問的処遇を止め、人権と自由の回復を」と訴えるものだ。

 これを受けて翌3月15日、東京・丸の内の日本外国特派員協会(FCCJ)で、星野暁子さんと再審弁護団の岩井信主任弁護人、藤田城治弁護人、元参議院副議長の角田義一弁護人が記者会見を行った。14日に更生保護委員会による星野さんへの2回目の面接が徳島刑務所で行われ、仮放免審理が文字通り最終局面に入る中での重大な行動となった。国内外の多くの通信社・個人が参加した。

 司会を務めたイタリア人ジャーナリストは冒頭に、「無期懲役それ自体が重大な人権侵害だ。しかし星野さんは世界的に見ても最長レベルの獄中生活を強いられている」と切り出した。司会を藤田弁護士に交代し、岩井弁護士が、星野闘争の概要と、無期懲役刑の終身刑化や仮釈放手続きの不透明性と非民主的な運用、恣意(しい)的な懲罰の実態を暴いた。さらに、角田弁護士が「どんな困難があっても星野さんを奪還したい」と力強く述べた。

 獄中結婚して33年になる暁子さんが、「私がなぜ国連人権理事会への通報を思い至ったかというと、国内の議論だけでは、閉ざされた仮釈放を押し開き、44年も拘束されている夫の文昭を取り戻すことができないと思ったからです」「日本の刑務所の人権侵害状況を改めて告発します。国際世論の力で獄中44年の星野文昭を救ってくださるように、よろしくお願いいたします」と文昭さんの解放を切々と訴えた。

 質疑応答も活発に行われた。暁子さんをはじめとして、発言者それぞれの星野さん解放に向けた心からの思いが参加者の胸を打つ会見として大成功した。   (研究所事務局)

写真の絵解きは、

外国特派員協会で記者会見

左から星野暁子さん、藤田城治弁護人、角田義一弁護人、岩井信主任弁護人

(3月15日 東京・日本外国特派員協会)

国際連帯共同行動研究所

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