第18号(P.6)闘いは続く パレスチナ帰還大行進

日本アラブ未来協会 田中 博一

昨年の3月30日「土地の日」から始まったパレスチナ・ガザの帰還大行進は年末までに死者190人超(子ども60人)、負傷者約6400人で、そのうち外科手術を受けた者120人(子ども21人)、四肢が麻痺した者22人と、多大な犠牲を出しながら今年になっても運動は盛り上がっている。

 一方イスラエルは封鎖を強め、ガザを殺人兵器の実験場としている。Elbit社はアリゾナ-メキシコ国境の壁建設に関わる調査で1億4500万ドルの契約を得ている。イスラエル株式市場は2010年以来、ガザ攻撃が始まると軍事産業会社が高値を付けるのを常としている。

 ヨルダン川西岸地区では、トランプ米政権のエルサレム首都容認を追い風とした暴力的なパレスチナ人の家屋破壊と住民追い出しをエルサレム旧市街を中心に行っている。

 ヘブロンの暫定国際監視団はイスラエル政府の任期更新不許可で撤退せざるを得ず、入植者たちは一層凶暴にパレスチナ住民を襲撃している。

 2017年の統計では381の家屋破壊、588人の住民追い出しを行い、2000戸を超える入植者用住居を建設している。パレスチナ人にはほとんどの場合、建築申請の許可は下りていない。家屋破壊・住民追い出しと入植者用住居の建設はイスラエル政府の伝統的な西岸地区における政策だ。

 ガザ地区では 1日3~4時間以下の通電で、破壊されずに残った上下水道の施設、医療機関の稼働が制限され、ガザ住民の健康が危ぶまれている。世界銀行の報告書によると、ガザ地区の住民の貧困率は80%に達し、いかなる形であれ、社会的支援や国際団体の救護品に依存して生活している。

 このような苦しい状況の中での200万ガザ住民の決死の闘いは、現代世界を根底から覆す闘いに発展せざるを得ない。

写真は上3枚目から、

1、女性がシューティングゲーム感覚でガザのフェンス沿いを警備している。射撃もミサイル攻撃もできる。アメリカが売り込んだ新兵器。

2、対照的な原始的武器で対抗するパレスチナ住民

3、ガザを海上封鎖する工事

4、波打ち際での抗議デモ。

国際連帯共同行動研究所

新たな労働者の「インターナショナル」の建設を目指す研究所です。