第18号(P.1~2前半)韓国・旭支会の闘いが大きく前進

大邱地方検察庁がAGCを起訴!

 2月13日、韓国・大検察庁検察捜査審議委員会が、AGC(旧・旭硝子)韓国法人、AGCファインテクノ韓国株式会社について、派遣法違反容疑(偽装派遣)で起訴勧告決定を出した。

 この決定を受けて15日、テグ(大邱)地方検察庁金泉(キムチョン)支庁が、旭硝子(当時代表・原野猛)と下請け会社GTS(代表・チョンジェユン)の当時の代表者を派遣法違反の疑いで不拘束(在宅)起訴した。

 民主労総金属労組旭非正規職支会のチャホノ支会長は、「不法派遣という明白な犯罪に対し、検察起訴まで4年という長い歳月がかかった」とし、「労働者が生存をかけて苦労しても、罰金数百万ウォンという軽い処罰が出るのではないかと心配される。ボールを譲り受けた裁判所が、きちんと判決を下し、不法派遣の根を絶つことを望む」と述べた。

 チャホノ支会長はAGCに対し、「旭硝子は法による判決を待つのではなく、不法派遣を認め、直ちに解雇者を復職させなければならない」と怒りをこめて要求した。

●4年にわたる不屈の闘い

 ガラス業界世界トップの旭硝子(ガラス)が韓国に進出、その社内下請け会社GTSで働く非正規職労働者たちが2015年5月、労働組合を結成。その1カ月後、旭硝子は労組結成に対する報復として請負契約を解除し、178人を集団解雇した。

 労組は7月21日、旭硝子と関係者を不法派遣・不当労働行為として労働部に告訴。労働部は2年後の17年9月22日、派遣法違反で旭硝子に直接雇用是正指示を出し、起訴を求めて検察に送致した。しかし、テグ地方検察庁金泉支庁は、同年12月21日に不起訴処分を下した。これに対し労組は抗告。大邱高検が金泉支庁に差し戻し、再捜査を命じ、昨年5月14日に再捜査が開始されていた。

 旭支会は「非正規職100人代表団」の一角を担い、痛ましい労災事故で非正規職の青年労働者キムヨンギュンさんが亡くなるや遺族と共に闘いの先頭に立った。非正規職撤廃の闘いは、「非正規職もうやめろ!1100万非正規職共同闘争」へと発展し、ムンジェイン政権との非和解の闘いとなっている。

旭支会支援共闘会議が

 ●AGC本社前で宣伝戦

 「AGC起訴!」の報を受け、旭非正規職支会支援共闘会議は2月22日、東京駅丸の内口にあるAGC本社前に「韓国・検察が不法派遣で旭硝子を起訴!」の横断幕を広げ、街頭宣伝を行った。

 「元請けであるAGCファインテクノ韓国社長が起訴された! 不法派遣=偽装派遣の責任はAGC本社にある。島村琢哉社長は、旭非正規職支会と誠実に交渉しろ! 解雇した178人を直ちに職場に戻せ!」

 怒りのアピールに道行く労働者が注目し、ビラを受け取っていく。旭支会と連帯し、今こそAGC本社を攻める時だ。労組破壊を許さず、解雇撤回! 原職復帰をかちとろう!非正規職撤廃へ共に闘おう!

(旭支会支援共闘会議事務局次長・鎌田由子)

写真は上から、

(上)2018年12月、テグ地方検察庁で座り込み闘争を行う旭支会の仲間たち

(中)2月22日夜、動労千葉を先頭にAGC本社前で宣伝行動を行った

(下)パククネと握手する原野猛元旭硝子代表

国際連帯共同行動研究所

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